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闇落ち損保ジャパン「保険金詐欺」隠蔽の真相 ビッグモーターの不正請求に目をつぶった

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なぜ早期の幕引きを図ったのか。

ビッグモーターの店舗に立ち入る検査官
ビッグモーターの店舗に立ち入り検査を行う財務省関東財務局の検査官(撮影:風間仁一郎)

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中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題に大手損害保険会社によるカルテル問題が加わり、大揺れの損保業界。
『週刊東洋経済』1月27日号の第1特集は「損害保険の闇」。長年、不正に手を染め続けた業界内部の底知れぬ闇とその実態に迫った。
週刊東洋経済 2024年1/27特大号(損害保険の闇)[雑誌]
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合計約10万件、金額にして40億円を超える見通しの巨大保険金詐欺事件を引き起こした、中古車販売大手のビッグモーター(BM)。

前代未聞の組織的な詐欺事件でありながら、業界大手の損害保険ジャパンは、なぜそれを隠蔽し、早期に幕引きを図ろうとしたのか。その真相を探るうえで、ポイントとなる会合がある。

それは2022年5月16日、東京海上日動火災保険の広瀬伸一社長、損保ジャパンの白川儀一社長、三井住友海上火災保険の舩曵(ふなびき)真一郎社長の3人が、資生堂の役員を囲む宴席を開いたときのことだ。

3社長が一堂に会するのは、そのときが初めてだった。資生堂の役員が退席し、その場にいるのが3社長だけになったとき、話題として挙がったのがBMの保険金不正請求疑惑だった。

白川氏が味わった屈辱

「不正請求を組織的に行っている疑いが濃い」

「やはり対応を強化しないといけないかもしれない」

広瀬氏と舩曵氏の2人がそうしたやり取りをする中で、白川氏は紫煙をくゆらせながら、黙って聞いているしかなかった。BMと取引があることは知っていたものの、組織的な不正請求の疑義が持ち上がっていることは初耳だったのだ。

舩曵氏から「御社はどう対応するのか」と問われたとき、白川氏はまさか「初耳なので」とは言えず「うちもしっかりと対応していく」としか答えられなかった。

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