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損害保険業界の変わらぬ「契約者軽視」体質 不祥事が起きても株価上昇、弛緩する危機意識

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誰が損保を殺すのか。

ビッグモーターのナンバープレートをつけた車両
(撮影:風間仁一郎)

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中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題に大手損害保険会社によるカルテル問題が加わり、大揺れの損保業界。
『週刊東洋経済』1月27日号の第1特集は「損害保険の闇」。長年、不正に手を染め続けた業界内部の底知れぬ闇とその実態に迫った。
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今から19年前の2005年、保険業界は「不払い問題」で大きく揺れていた。

当時、明治安田生命保険で死亡保険金をめぐる支払い漏れが大量に発覚。同時期に、損害保険業界でも富士火災海上保険(現AIG損害保険)で自動車保険などの支払い漏れが発覚した。それらを発端に、保険業界全体で不払いが発生していることが明るみに出た。

自動車保険の特約などにおける不払いは、最終的に約49万件、金額にして約381億円にも上り、金融庁が損保各社に対して一部業務停止命令といった厳しい行政処分を下す結果となった。

背景に保険の自由化

不払い問題の背景にあったのが、保険の自由化だ。それまで同一だった商品内容と保険料を、自由に設計できるようになり、自動車運転者の属性など事故のリスクに応じて保険料を設定する「リスク細分型」の自動車保険が新たに登場するなど、商品が一段と複雑化していった。

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