損害保険業界の勢力図が変わろうとしている。
5月23日、大手損害保険各社が情報漏洩に関するお詫びを一斉に公表した。内容から見て取れるのは、損保業界がいかに契約者を軽視した業務運営をしているかということだ。
今回の情報漏洩は、中部地方の大手自動車ディーラーで発覚した。同ディーラーの本社から販売店に自動車保険の契約者情報をまとめて送る際、メールの「CC(カーボンコピー)」欄に、契約に関係のない損保の担当者も入れていた。
誤ってCCに入れたわけではない。「更新時期が近いなど新たな保険契約の可能性があったり、書類に不備があったりする契約者の仕分けは、面倒だからそちらでしてくれと言わんばかりに、販売店と損保4社の担当者にまとめてメールを送っていた」(損保大手幹部)という。
メールには、契約者の氏名や証券番号、保険料、満期日などの情報があった。契約している先以外の損保には提供してはならない情報で、明らかに情報漏洩に当たる。
情報漏洩を長年黙認
「これは問題ではないのか」。そう声を上げたのは、4月に中部地方の営業拠点に異動した、東京海上日動火災保険の社員だった。
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