国内生保大手4社に海外戦略の動向などについて聞いた。
外貨建て保険の不適切な販売で金融庁から指導を受けた生命保険業界。他方、損害保険業界は「ビッグモーター」と「カルテル」の2大不正事案で経営の抜本改革を迫られている。
『週刊東洋経済』6月22日号の第1特集は「生保・損保の真価」。営業や収益の構造転換が待ったなしとなった両業界の最新事情を探る。
──米AIG傘下の保険会社コアブリッジへの出資を決めた経緯について教えてください。
これまでの当社のオーストラリアやインドでの経験を踏まえて、北米進出に当たっては、安定的な事業運営をしてきた会社、トラックレコード(実績)をしっかり持った会社をパートナーにする、と言ってきた。
コアブリッジは年金マーケットの中でリーディングカンパニーのポジションにあり、個人年金、団体年金ともに、非常にバランスの取れたポートフォリオになっている。
経営陣についても、経験年数が長く、長期的目線、顧客重視、(販売)チャネルとの関係を大事にするといった、日本生命と同じような哲学を持っていることもあって、パートナーに決めた。
「自信がなかった」
──買収ではなく20%の出資にとどめた理由は。
コアブリッジは時価総額で約3兆円の上場会社だ。一気にマジョリティーを取りにいくまでの自信がなかったというのが正直なところだ。
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