生損保と金融庁が一体で自主規制機関を設置する構想が、一気に現実味を帯びてきた。
「とうとう火の粉が降りかかるようになってしまったか。まったく厄介だな」
大手生命保険会社の役員は、そう言って肩を落とした。落胆した理由は、金融庁が設置した「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」の報告書案の文言にある。
6月7日に示された報告書案の6ページ目に、保険代理店を指導・監督する「自主規制機関等を設立することも視野に入れて検討」という文言が盛り込まれたのだ。
この有識者会議は、その名称のとおり、損保業界における「ビッグモーター不正」や「保険料カルテル問題」を受けて、今年3月に設置されている。生保業界には縁遠いようにも思えるが、「自主規制機関となれば、無関係ではいられない」(生保役員)という。
金融庁から抜本的な見直し要求
どういうことか。これまでの経緯を振り返りながら、順を追って説明していこう。



















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