海外投資をめぐって日本生命内で巻き起こった激しい内部対立の舞台裏を探る。

米AIG傘下の生命保険会社、コアブリッジへの出資を発表した日本生命(写真上:Getty Images、右:編集部撮影)
外貨建て保険の不適切な販売で金融庁から指導を受けた生命保険業界。他方、損害保険業界は「ビッグモーター」と「カルテル」の2大不正事案で経営の抜本改革を迫られている。
『週刊東洋経済』6月22日号の第1特集は「生保・損保の真価」。営業や収益の構造転換が待ったなしとなった両業界の最新事情を探る。
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「今の日本生命には清水(博)社長の横暴、専横を止められる人はいません」「(一部の職員が)2社合計3兆円を超える海外の巨額投資に反対しており、協力的ではないと社長に怒鳴りつけられました」
2023年11月、日本生命保険の有志を名乗る社員から、報道各社にA4判で4枚にわたる内部告発文が届いた。その内容は海外事業投資をめぐって、清水社長と役職員との間で、激しい対立が巻き起こっていることをうかがわせるものだった。
告発文にある2社合計3兆円超の巨額投資とは何か。1つは、日本生命が5月16日に発表した米AIG傘下の生命保険会社、コアブリッジ・ファイナンシャルへの出資。もう1つは、豪州や米国を中心に既契約受託事業などを手がける、レゾリューションライフへの追加出資だ。
巨額投資計画の大半はコアブリッジ向け
コアブリッジは個人向け年金保険を主力としており、米国で「長期にわたって高いプレゼンスを誇っている」(日本生命)という。ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しており、6月上旬時点での時価総額は2.7兆円に上る。
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