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激動の損害保険 「政策保有株式」をめぐる神経戦 大手による保険料カルテル問題の一因となった

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はたして解消できるのか。

自動車保険のパンフレットと衝突する自動車の模型
(写真:genzoh / PIXTA)

特集「生保・損保の真価」の他の記事を読む

外貨建て保険の不適切な販売で金融庁から指導を受けた生命保険業界。他方、損害保険業界は「ビッグモーター」と「カルテル」の2大不正事案で経営の抜本改革を迫られている。
『週刊東洋経済』6月22日号の第1特集は「生保・損保の真価」。営業や収益の構造転換が待ったなしとなった両業界の最新事情を探る。
週刊東洋経済 2024年6/22号(生保・損保の真価)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年6/22号(生保・損保の真価)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

「われわれの株は政策保有から純投資に切り替えるという認識でいいか」

今春、大手損害保険会社の役員が取引先の上場企業を訪問すると、そう言われて先制攻撃を仕掛けられた。損保役員が頭を抱えることになったこの発言。その真意を理解するには若干の説明が必要だ。

「政策保有」とは、取引関係の維持・強化を目的に株式を保有すること。大手損保は長年の慣習として企業の株を政策保有し、時に損保自身の株を企業にも保有してもらう「持ち合い」によって、保険取引の安定化につなげてきた。

一方で、政策保有株は大手損保による「保険料カルテル」を助長することにもなった。企業が損保各社へ保険契約を配分する基準として、提示する保険料よりも、政策株をどれだけ保有しているかを重視したからだ。

政策株を解消すると宣言

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