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生保業界最新勢力図「大手で相次いだ大型買収」 金利上昇で円建て貯蓄性保険の販売が急増

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(写真:makaron*/PIXTA)

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生命保険会社、損害保険会社問わず、「社会課題解決」が大きなテーマになっている。「週刊東洋経済」の臨時増刊「生保・損保特集号」は、保険会社の生き残りの条件となった社会課題解決への各社の取り組みをリポート。
さらに各社トップへのインタビューや、資産形成サービス、ヘルスケア、AI・テクノロジーなど最新の動きも網羅した。その誌面から、注目記事をお届けする。
週刊東洋経済臨時増刊 生保・損保特集 2024年版
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生命保険協会がまとめた「生命保険事業概況」(42社合計)によると、2023年度の新契約年換算保険料は2兆5014億円で、前の年度に比べて15.8%の大幅増だった。同保険料が増加するのは3年連続となる。

新契約の増加を牽引したのは、22年度と同じく、一時払い(保険料一括払い)の終身保険だ。米国の利上げによってドル建て商品の利回りが向上したことに加えて、為替相場がドル高基調で推移したこともあり支持を集めた。

さらに、一時払い終身保険(定額)は円建てタイプでも新契約が大きく伸びている。同商品の新契約年換算保険料は1158億円で、22年度に比べて94.8%増とほぼ2倍になっている。

市中金利の上昇で円建て終身が人気に

その要因は、市中金利の上昇を受けて大手生保が予定利率を引き上げたことにある。最大手の日本生命保険では、23年1月に利率を0.25%から0.6%へ引き上げたうえ、24年1月には1.0%に引き上げている。

円建て商品は、為替リスクを取らずに保守的な運用をしたいという層に人気があり、それまで超低空飛行を続けてきた予定利率が、大幅に引き上げられたことで投資妙味がようやく出てきたようだ。

円建ての個人年金保険(定額)も、同様の構図で大きく伸びた。23年度の新契約年換算保険料は1651億円で、実に前年度比で3.8倍にまで膨らんでいる。

好調な業績を背景にして、大手生保では国内外で大型のM&Aや出資に踏み切る動きが、昨秋以降目立っている。

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