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保険不正蔓延の元凶、「代理店手数料」という伏魔殿 10年以上前からの懸案でも開示に踏み込めず

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握手する男性
(写真:PIXTA)

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相次ぐ法令違反の発覚や内需の縮小によって転換点に立たされている損保・生保業界。本特集では、業界大手トップへのインタビューをはじめとして、業界の最前線に迫った。

「顧客の合理的な意思決定に有効であるとの結論が得られた場合には、募集手数料の開示を求めることも考えられる」

この一節は、金融庁の金融審議会が設置した損害保険制度の作業部会が、2024年末にまとめた報告書に記されたものだ。

「考えられる」という表現は、作業部会で論点としては浮上したものの結論を得られず、保険会社が保険代理店に支払う手数料の対外的な開示には、踏み切れなかったことを意味する。

それでも、報告書にあえて今後の検討材料として記述したのは、手数料をめぐる問題が一連の「損保不正」の底流にあり、その開示に踏み込まなければ、「本質的な問題解決にはならない」(金融庁幹部)という監督当局としての思いがあるからだ。

便宜供与から手数料へ

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