
舩曵真一郎(ふなびき・しんいちろう)/MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス 社長。1983年神戸大学経営学部卒業、住友海上火災保険(現三井住友海上火災保険)入社。2017年MS&AD執行役員、2021年三井住友海上火災保険社長、2024年6月から現職(撮影:梅谷秀司)
相次ぐ法令違反の発覚や内需の縮小によって転換点に立たされている損保・生保業界。本特集では、業界大手トップへのインタビューをはじめとして、業界の最前線に迫った。本記事では、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスの舩曵社長に今後の対応策を聞いた。
顧客本位という軸を持たないといけない
──保険料カルテル問題に続いて、自動車ディーラーなどへ出向した社員を中心とする情報漏洩の問題など、顧客軽視といえる不祥事が相次いでいます。
顧客を置き去りにしないために私たちが実現すべき顧客本位とはどういうものなのか、グループの事業に関わる一人ひとりが明確な姿を思い描けるようにする。それがなければ判断に迷いや過ちが出かねない。
ディーラーをはじめとした乗り合い代理店においても、個人情報保護法や不正競争防止法といった各種の法律やルールにのっとって、どのような行為に抵触可能性があるのかということを、金融業界に身を置く者として、しっかりと認識し判断できるようにしなければいけない。
──情報漏洩や保険料カルテルの問題は、経営の判断の軸がどうなっていたから起きてしまったと考えていますか。
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