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顧客軽視の保険販売、自動車ディーラー「テリトリー制」廃止の真贋。金融庁は抜け穴をふさげるか

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トヨタモビリティ東京の看板
商品の推奨理由を創作していると金融庁に指摘されたトヨタモビリティ東京(写真:編集部撮影)

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保険業界で不正事案が続発。営業のルールを定めた保険業法と監督指針が11年ぶりに大幅改正される。大手各社はどう立ち向かおうとしているのか。本特集ではその最前線を追った。

ある自動車ディーラーでSOMPOホールディングスの役員が自社の保険に加入しようとしたら、東京海上日動火災保険のテリトリー店舗だったため、担当者からあえなく断られた──。

そんな笑い話にもならない非常識な世界が、いまだに平然と存在している損害保険業界。

トヨタ自動車などの系列ディーラーの多くは、店舗ごとに担当する損保会社を決め、担当損保の自動車保険を集中的に推奨販売する「テリトリー制」を、今なお採用している。

顧客軽視の保険販売

いったいなぜそのような制度を取り入れているのか。それは損保各社を競わせて代理店手数料(ポイント)で優遇を受けたり、社用車購入などの便宜供与を得られたりと、ディーラーにとってうまみが大きいからだ。

来店した顧客が自動車保険についてどのような意向を持ち、どんな商品が適しているかは、ディーラーにとってはどうでもいい話。むしろ関心は、「テリトリー店舗というニンジンをぶら下げることによって損保各社を競わせ、いかに便宜供与を引き出すか、ということにある」(大手損保役員)。

冒頭で紹介した話からも、そうしたディーラーの魂胆が透けて見える。

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