
ある自動車ディーラーでSOMPOホールディングスの役員が自社の保険に加入しようとしたら、東京海上日動火災保険のテリトリー店舗だったため、担当者からあえなく断られた──。
そんな笑い話にもならない非常識な世界が、いまだに平然と存在している損害保険業界。
トヨタ自動車などの系列ディーラーの多くは、店舗ごとに担当する損保会社を決め、担当損保の自動車保険を集中的に推奨販売する「テリトリー制」を、今なお採用している。
顧客軽視の保険販売
いったいなぜそのような制度を取り入れているのか。それは損保各社を競わせて代理店手数料(ポイント)で優遇を受けたり、社用車購入などの便宜供与を得られたりと、ディーラーにとってうまみが大きいからだ。
来店した顧客が自動車保険についてどのような意向を持ち、どんな商品が適しているかは、ディーラーにとってはどうでもいい話。むしろ関心は、「テリトリー店舗というニンジンをぶら下げることによって損保各社を競わせ、いかに便宜供与を引き出すか、ということにある」(大手損保役員)。
冒頭で紹介した話からも、そうしたディーラーの魂胆が透けて見える。
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