"もう1つの旧ビッグモーター"が歩む哀れな末路 事業再生ばかりに注力、補償手続きは二の次

![週刊東洋経済 2025年1/25号(保険 異常事態)[雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/419tqqUfZmL._SL500_.jpg)
「彼らは、突然寝転がったような対応をしてみたり、時間切れで自然消滅させようとしてみたり、そんな姿勢が見え隠れする部分があって、本当に疲れる」
大手損害保険会社の幹部が深いため息をつきながら話す「彼ら」とは、旧ビッグモーター(BM)を前身とするBALM(東京都港区、和泉伸二社長)のことだ。
BALMは旧BMを分割した際に、いわゆる「バッドカンパニー」として、保険金不正請求事案などの債務を引き継いだ会社だ。被害回復に向けた補償手続きを担っており、2024年3月にスポンサーとなった企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が実務を取り仕切っている。
補償手続きは遅々として進まず
JWPは、旧BMの事業用資産を引き継いだWECARS(ウィーカーズ)に対しても、特別目的会社(SPC)などを通じて伊藤忠商事などと共同で出資しており、いわば実質的な親会社でもある。
昨年5月には、伊藤忠商事と共に記者会見を開いて、旧BMの事業を引き継ぐ会社としてWECARSが新たに発足したことを大々的に発表し、再生への一歩を踏み出したことを盛んにアピールしていた。
ところが、その華々しさとは裏腹に、BALMにおける補償手続きは遅々として進まず、債権を持つ損保各社や取引銀行をいらつかせている。
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