法令違反の新たな発覚も懸念されるビッグモーターだけに、慎重な資産査定が続く。
「伊藤忠は取りあえず手を挙げて、倒産後に何かしらの資産を買い取ろうとしているだけではないか。本気で再生を考えているなら、狂気の沙汰だ」
2023年11月17日、伊藤忠商事が中古車販売大手ビッグモーター買収に向けて資産査定を開始することを発表した直後、金融関係者は驚きを隠さなかった。
自動車保険金の不正請求を繰り返し、個人顧客への強引な販売行為もるる報じられるビッグモーターを傘下に入れるのは、巨大なレピュテーションリスクを抱え込むことになる。
実際、一連の不正を受け、国土交通省は23年10月に34事業所を道路運送車両法に基づいて事業停止にした。さらに金融庁は同11月、保険業法に基づき同社の保険代理店登録を取り消している。今後、顧客からの訴訟が増加する可能性もある。
再生に強い意欲
ところが、である。昨年12月5日、クリスマスイベントに参加した伊藤忠の岡藤正広会長は、「利益より信用を失うことがないようにしないといけない。だけどやっぱりビッグモーターの5500人の雇用も守ってあげたい」と述べ、ビッグモーター再生に強い意欲を示した。
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