その様子から、不正請求への関心が薄いと映ってしまったのか、舩曵氏からは「BMは今後付き合うようなレベルの会社ではない!」と激しい剣幕で迫られてしまった。
なぜそんな情報を部下たちは報告として自分に上げてこないのか。屈辱的な思いをした白川氏は、会合が終わるとすぐに、怒鳴り声を上げたい気持ちを必死に抑えながら、BMを担当している中村茂樹専務(当時、現在は監査役)と、大倉岳執行役員(当時、現在は保険金サービス企画部長)に電話を入れ、説明を求めた。
翌日、白川氏は大倉氏らからBMの不正請求事案について説明を受けたが、その説明は十分ではなかったようだ。
「ワン・オブ・ゼム」の認識
なぜなら、白川氏はその説明を聞いて「ワン・オブ・ゼムという誤った認識をしてしまった」と、後に周囲に語っているからだ。
確かに、事故車の修理に伴う保険金の不正請求は、BMに限ったものではない。件数の多寡は別にして、板金工場を持つ大手の新車ディーラーなどでも、日常的に発生しているのだ。白川氏は、その中の1つという程度にしか認識できなかったようだ。
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