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ブランドに傷「トヨタグループ不正続出」の深刻度 日野自動車、ダイハツ、豊田自動織機の共通点

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グループ連携を競争力の源としてきたトヨタが正念場を迎えている。

豊田自動織機の記者会見の様子
グループ中枢の豊田自動織機(上)とダイハツの不正はトヨタ内外での衝撃も大きい(写真:共同通信社)

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今期の純利益計画は過去最高の4.5兆円と絶好調のトヨタ自動車。だが、競争力の源泉であるグループ各社で不正が相次いでいる。試練を乗り越え成長を持続できるのか。『週刊東洋経済』3月23日号の第1特集は「絶頂トヨタの試練」だ。
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「安心安全を前提に販売していた。一連の不正で顧客にうそをついていたことになったのが何よりもつらい」

首都圏にあるダイハツ工業系列の販売会社の幹部はそう話した。

2023年末に発覚したダイハツの認証不正問題。第三者委員会の調査で64車種174件の不正が発覚し(国の調査でも新たに14件発覚)、国内で販売する全車種が出荷停止という異例の事態になった。

顧客とじかに接する販売会社は対応に追われており、「ある県では不正発覚の翌日だけで1日50件の受注キャンセルがあった」(前出の販売会社幹部)という。

国土交通省からの許可が下りた車種の一部は2月中旬から生産が再開され、工場が立地する自治体からは「ようやく一歩前進」(滋賀県竜王町の西田秀治町長)との声が上がるものの、3割超の車種はいまだ出荷の見通しが立っていない状況だ。ダイハツは取引のある部品メーカーや販売会社への補償などの支援策をすでに始めている。

短い開発期間が負担に

ダイハツの不正で最大の原因になったとされるのが「過度にタイトで硬直的な開発スケジュールによる極度のプレッシャー」(第三者委員会調査報告書、以下同)だ。

第三者委は11年9月に発売し大ヒットとなった新型車種の「ミラ イース」で大幅に開発期間を短縮しコスト競争力が高まったことが“成功体験”となったと指摘する。

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