
第1回 JR東日本「社友会」育成の真の狙いは労組潰し
第2回 社友会を「経営のパートナー」とするJR東日本
第3回 JR東日本の“擬似労働組合”のような社友会
第4回 JR東日本が関与する「過半数代表選挙」の実態
第5回 JR東日本「過半数代表選挙」星取表から漏れ出る会社の本音(本記事)
著者の手元に複数の一覧表がある。前回報じた、2018年から毎年、JR東日本の各職場で行われている「過半数代表選挙」の結果を取りまとめた、いわゆる“星取表”である。
JR東日本では同年、社員の約8割が加入していた同社の最大労組「JR東労組」(東日本旅客鉄道労働組合)が崩壊し、過半数労働組合が無くなった。このため同社では、それ以降毎年、36(サブロク)協定(労働基準法第36条に基づく、時間外・休日労働に関する労使間の協定)を締結する際の、労働者側の代表となる「過半数代表者」を選ぶ選挙が行われているのだ。
筆者が入手したのは、2018年度以降に東京支社(現・首都圏本部)管内の各職場で行われた過半数代表選挙の結果を取りまとめた星取表のうち、2020年代の複数年度のもの。
会社が取りまとめた星取表
年度ごとに、記載内容に若干の違いはあるものの、選挙が行われた各業務機関(職場)の名称、立候補者の職名と氏名、各候補の得票数などが一覧になっている形式は同じだ。これらの星取表を提供してくれたJR東日本関係者が解説する。
「各職場の管理者は、過半数代表選挙の投開票が終わった後、その結果だけでなく、勝因や敗因の分析と今後の対策を会社に報告しなければならない。それをもとに各支社の人事・総務部門の担当者が取りまとめたものが、これらの星取表なのです」
JR東日本の過半数代表選挙が、多くの職場で「社友会候補vs.労組候補」の構図で争われていることは第4回で詳述した通り。つまり、この関係者の言う「勝因」とは、社友会候補が労組候補に勝った場合の要因のことであり、「敗因」とは負けた場合のそれである。
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