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「労組候補vs.社友会候補」の構図で争われるJR東日本「過半数代表選挙」の知られざる実態。水面下で会社が関与か

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JR東日本では毎年2月になると、こんな社内通知が各職場に貼り出される
東北新幹線での「連結器外れ」や、最新型車両「E8系」の故障など、深刻な車両トラブルが相次ぐJR東日本。同社の安全・安定輸送への信頼を揺るがす非常事態にもかかわらず、経営陣からは危機感や緊張感が伝わってこない。
その一因として指摘されるのが、安全問題をはじめ同社の経営全般を現場からチェックする「労働組合」の不在だ。JR東日本では7年前、過半数労働組合の消滅と同時に、社員の親睦団体「社友会」が誕生。以来、JR東日本は、この社友会を労組に代わる「経営のパートナー」として育成してきたのだ。
デジタル連載「過信―JR東日本がもくろむ『労組消滅』」の第4回は、社友会の設立や運営に「関与していない」としながらも、実際には、同社で行われる「過半数代表選挙」に際し、水面下で策動している会社の実態を明らかにする。
【配信スケジュール】
第1回 JR東日本「社友会」育成の真の狙いは労組潰し
第2回 社友会を「経営のパートナー」とするJR東日本
第3回 JR東日本の“擬似労働組合”のような社友会
第4回 JR東日本が関与する「過半数代表選挙」の実態(本記事)
第5回 coming soon

〈過半数代表者の立候補者選出について〉

JR東日本では2019年以降、毎年2月になると、このような社内通知が各職場の掲示板に貼り出される。通知はこう続く。

〈労働基準法及び労働安全衛生法に基づき、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては、各種法定協定の締結等を行う際には労働者の過半数を代表する者(以下、「過半数代表者」という。)を選出する必要があります。2月1日現在、労働者の過半数で組織する労働組合がないことから、過半数代表者を以下のように選出します……〉

これまでに述べてきた通り、JR東日本では2018年2月の春闘で労使関係が決裂。それまで社員の約8割が加入する過半数労働組合だった「JR東労組」(東日本旅客鉄道労働組合)から組合員が大量に脱退し、崩壊した。だが、その一方で同社では、同年の4月末に「36(サブロク)協定」(労働基準法第36条に基づく、時間外・休日労働に関する労使間の協定)の締結期限が迫っていた。

会社は「社友会」関与を否定

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