例年11月末になると、高速道路各社から年末年始の渋滞予測が発表される。そして、マスメディアが、その情報を詳細な分析をほとんどしないまま、ほぼ発表通りに報道する。
たいてい、「年末の下りの渋滞のピークは○日と○日の午前何時ごろ、○○自動車道で最大○km、年始の上りのピークは……」というトーンである。
そして年末年始の混雑期間が終了すると、実際の混雑状況について高速道路会社からプレスリリースが発表される。
この場合も、大まかな結果だけがテレビや新聞で報道されるが、この時に渋滞予測がどれくらい正確であったのか、外れた場合はその理由はどんなことが考えられるかというような説明はあまり聞かれない。
視聴者や読者の関心は過去の検証よりも「今とこれから」に移っているので、過去を振り返っても仕方がない、というくらいの淡白さである。こうした渋滞予測の発表と結果の簡単な報告は、いわば年末年始のニュースの風物詩といってもいいぐらいだ。
「10km以上の渋滞」予測は210回でも
では、2025年の年末から26年の年始にかけての予測はどうであろうか。
11月26日に高速4社と日本道路情報交通センターが共同で発表したリリースによると、12月26日(金)~1月4日(日)に全国で「10km以上の渋滞」が発生する回数は、210回と予測されている。
前年(24~25年)は、予測が242回で、実際には予測のほぼ1割減となる221回であった。また、東京を起点とした下りの渋滞のピークは、実は年末ではなく、年始の1月2~3日と予測している。
「年末は下りのピーク、年始は上りのピーク」という定式、あるいは思い込みが覆される予測だが、これはここ数年同様の傾向である。つまり下りは、年末に限ってはピークのない、緩やかな混雑が続くということになる。
次に、1日の渋滞発生回数を見てみよう。全国の「10回以上の渋滞回数」は、12月26日(金)の5回から、1日ごとに、27日9回、28日7回、29日10回、30日11回と推移し、31日になるとわずか4回にすぎない。



















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