今年3月、2つの大きな「バイパス」の“開通”が控えている。
バイパスには「障害や問題を回避する」という意味があるが、道路交通においては、市街地などの混雑を避けるために設けられた「迂回路」を指す場合が多い。
東京に住んでいると、日常会話であまりバイパスという言葉は聞かない(埼玉県南部には、大宮バイパス、新大宮バイパスが、神奈川県横浜市には保土ヶ谷バイパスがあるものの自分で車を運転しない人にはなじみが薄い)が、先日ある会合で知り合った愛知県在住の人からおもしろい話を聞いた。
「愛知県人はバイパスが大好きです」というのだ。
愛知県民に根付く「バイパス愛」と待望の全通
実は私も愛知県出身で、子どものころからバイパスという言葉は聞き慣れていた。
というのも、私が生まれ育った愛知県西枇杷島町(現・清須市)には、当時「名岐バイパス」という、その名の通り名古屋市と岐阜県岐南町を結ぶ新たな高規格道路が開通(全通は1969年)したばかりで、一宮市の親類の家へ行くときなどによくお世話になったし、日常会話でも「バイパス沿いに新しい店ができたよ」などと、よく使っていたからである。
全線6車線で信号も少ないこのバイパスは、のちにバイパスから正式な国道22号線に格上げされ、現在ではその上を名古屋都市高速の清須線・一宮線が通るなど、今でも名古屋と岐阜を結ぶ一大幹線となっている。
話が脱線したが、2025年3月にこの愛知県で開通するのは、名豊道路とも国道23号線バイパスとも呼ばれる高規格道路の「豊川為当IC~蒲郡IC」間、通称「蒲郡バイパス」である。
この道路の開通により、静岡県浜松市と名古屋市の間のおよそ100kmが、まったく信号のない無料の高規格道路で結ばれることになる。
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