浜松〜名古屋「100km」無料で走れるバイパス爆誕 2025年3月に開通「愛知・福岡」2つのバイパス

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4車線化の工事がかなり進んだ昨年11月、ちょうど福岡市から筑豊へ向かう用事があり、福岡空港で借りたレンタカーでこの八木山バイパスを通った。

2024年11月に撮影した整備中の八木山バイパス篠栗料金所(筆者撮影)
2024年11月に撮影した整備中の八木山バイパス篠栗料金所(筆者撮影)

国道201号線の旧道は、標高227mの八木山峠をヘアピンカーブで抜けるが、こちらは緩やかな坂道とカーブで峠を迂回する。3月に4車線化するのは、「篠栗IC~筑穂IC」間の5.7kmだが、いずれは全線が4車線化されることになっている。

これまで対面走行だった福岡側と筑豊を結ぶ筑穂トンネルは、すでに新トンネルが開通し、追い越し車線側の整備が進んでいた。

八木山バイパスの筑穂トンネル。2024年11月時点で片側1車線だったが3月から2車線に(筆者撮影)
八木山バイパスの筑穂トンネル。2024年11月時点で片側1車線だったが2025年3月から2車線に(筆者撮影)

また、筑穂ICから東の区間でも工事が始まっていた。九州でドライブ中にラジオの交通情報を聴いていると、八木山バイパスの渋滞の状況がしばしば耳に入ってくるが、今後はその名を聞く機会も減るかもしれない。

高速道路と一般道路の中間の役割を果たすバイパス道路

これまで述べてきた2つの例に加えて、特に大都市近郊で慢性的な幹線道路の渋滞を避けるために、大規模なバイパス道路の整備が進められてきた。

高速道路ではないが、一般道よりも走行しやすい無料の道路は、地味ではあるが、地域住民や高速道路の通行料を節約したいドライバーにとっては、「救いの神」である。

東京近郊では、埼玉県越谷市から栃木県宇都宮市まで、国道4号線のバイパスとして建設された新4号国道がよく知られている。総延長はおよそ80kmで、片側3車線化された区間も多い。

一方、関西では国道2号線に並行して走る加古川バイパス、姫路バイパス、太子竜野バイパスと連続する3本のバイパスが、第2神明道路(この道路は有料)から続く無料の高規格道路群として、よく知られている。

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この区間には高速道路の山陽自動車道もあるが、三木市や小野市など、かなり内陸を走っているため、人口密集地帯で工場なども多い沿岸部の移動には、このバイパス群の方が利用価値は高いだろう。

このように、日本の道路は、高速道路と一般道の間に、高速道路に準じるような高規格の道路が整備されることで、その隙間をうまくカバーしている。

名豊道路の全通に合わせ、一度は浜松から名古屋まで無料のバイパスで走ってみたいものだ。

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佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、高崎経済大学特任教授、京都光華女子大学教授を歴任し、現職。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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