バイパス好き、つまり高速道路に匹敵する快適な無料の道路が好きな愛知県民、特に新規開通区間の蒲郡市周辺の住民は、バイパスの全通を心待ちにしているということも、前述の愛知県在住の方から聞いていた。
豊橋市など東三河地方と名古屋の間には、「老舗」の東名高速道路も、比較的新しい新東名~伊勢湾岸道ルートもあるが、「お値打ち」を好む愛知県人にとって、通行料なしで快適に県の東西を移動できる道路は、「待っていました」というものだろう。
ただし、この23号線バイパスは、片側1車線のところが全路線のほぼ半分ほどあり、今でも場所や時間によっては渋滞が頻発しているので、この開通が県民に快適な移動を必ずもたらすかどうかは、開通後の状況を確認する必要がある。
なお、この道路はいくつも名称があるのでややこしいが、「国道23号線名豊道路」は、西から知立バイパス、岡崎バイパス、蒲郡バイパス、豊橋バイパス、豊橋東バイパスの5つの道路が連なって構成されている。
さらにその東に潮見バイパス、浜名バイパス(こちらは国道1号線・42号線のバイパス)へと続いて、浜松まで高規格道路が続いている。
福岡では「八木山バイパス」が再有料化
もうひとつのバイパスは、福岡県の「八木山バイパス」だ。この連載の「時代に逆行? いま『道路の有料化』が進むワケ」でも取り上げたように、有料道路が無料となり再び有料化されるという、めずらしいパターンのバイパスである。
福岡市と筑豊の飯塚市を結ぶ、国道201号線のバイパスとして1985年に開通した八木山バイパス(篠栗IC~穂波東IC 13.3km)は、2014年に無料化された。
しかし、片側1車線のため渋滞が頻発し、事故も激増。そこで、片側2車線化の工事が行われるのと同時に、運営も国からNEXCO西日本に移管され、2025年3月30日から再び有料道路に移行することになったのである。
通行料金は、普通車で280円。無料化前の有料道路時代の通行料530円と比べ、ほぼ半額に設定された。
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