
中国の自動車業界のいきすぎた価格競争に、中国政府が危機感を深めている。中国工業情報化省、国家市場監督管理総局、国家消防救援局の3部門は6月19日にオンライン会議を開き、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)などの電動車の安全性確保について協議した。
3部門は自動車メーカーと車載電池メーカーに対し、電動車の正しい使い方を消費者に啓蒙するよう指示。製品の安全性確保を徹底し、(性能などを誇張した)誇大広告や虚偽の宣伝をしてはならないと釘を刺した。
転換期の矛盾が噴出
それだけではない。3部門は、自動車メーカーや車載電池メーカーが製造工程での手抜きや材料のごまかしに手を染め、製品の性能や品質を犠牲にして短期的なコスト削減や利益改善を追求することがないよう、厳しく戒めた。
中国政府の所管当局は数カ月前から、自動車業界の“正常化”を事あるごとに訴えている。国家発展改革委員会の担当者は2025年3月に開催されたフォーラムで、次のように率直に指摘した。
「わが国の自動車産業は(クルマの電動化やスマート化などの)急速な転換期にあり、構造的矛盾が噴出している状況だ。業界全体が深刻な過当競争に陥り、競争の秩序が失われている」
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