中国自動車市場で「走行距離ゼロの中古車」が急増 裏にメーカーの過剰生産、ロシアにも大量流入

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中国のオンライン中古車仲介サイトには、登録済みで走行距離100キロ以下の新古車が大量に出品されている(写真は大手中古車サイト「懂車帝」のウェブサイトより)

中国の自動車業界で「零公里二手車(走行距離ゼロの中古車)」と呼ばれる“新古車”の増加が議論を呼んでいる。中国商務省は先日、自動車メーカー2社、(新車ディーラーを経営する)自動車販売会社2社、オンライン中古車仲介業者2社などの担当者を集めて会議を開き、零公里二手車の流通の実態について聞き取り調査を行った。

この会議に呼び出された自動車メーカー2社は、国有大手の東風汽車集団とEV(電気自動車)最大手の比亜迪(BYD)だった。財新記者の取材に応じた関係者によれば、商務省の意図は両社を名指しで批判したり指導したりすることではなく、メーカーとしての一般的な見解を聴取することにあったという。

長城汽車のトップが警鐘

零公里二手車の問題の表面化は、民営中堅メーカーの長城汽車(グレートウォール)の董事長(会長に相当)を務める魏建軍氏の発言がきっかけになった。

「自動車業界では今、零公里二手車(の増加)という怪現象が起きている。中古車のオンライン仲介サイトに、登録済みの新車が中古車として(大量に)出回っている」

魏氏は5月23日、メディアの取材を受けた際にそう述べ、零公里二手車が自動車市場の秩序を乱し、(自動車メーカーが発表する)新車販売台数のデータの信頼性を損なうことに危機感をにじませた。

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