中国自動車市場で激しい価格競争が続く中、EV(電気自動車)およびPHV(プラグインハイブリッド車)で最大手の比亜迪(BYD)が、部品サプライヤーに対して10%の値下げ要請をしたことが波紋を呼んでいる。
11月26日、同社が部品サプライヤー宛てに送信した電子メールのスクリーンショットが、ネット上に流出したことで明るみに出た。
このメールの中で、BYDは2025年の(EVとPHVを中心とする)新エネルギー車市場が「生き残りをかけた大決戦に突入する」と強調。BYD車の競争力をさらに高めるため、サプライチェーン全体が共同で努力してコスト削減を続ける必要があるとし、2025年1月1日から納入価格を10%下げるよう求めた。
広報責任者が「火消し」
財新記者は取材を通じて、BYDの値下げ要請が事実であることを確認した。同社の部品サプライヤーは8000社を超えるが、そのうち少なくとも数十社が上述のメールを受け取った。
中国の自動車業界内で、BYDは「価格破壊王」の異名をとるプライスリーダーだ。同社の値下げ要請の情報はまたたく間に拡散し、大きな議論を呼んだ。
翌11月27日、BYDのブランド・広報部門の責任者を務める李雲飛氏は個人のSNSアカウントに次のように書き込み、事実上の火消しに動いた。
「部品サプライヤーとの年度末の価格交渉は自動車業界の慣習だ。わが社は大量購買を前提に、部品サプライヤーに対して値下げ目標を提示した。これは決して強制ではなく、交渉の余地がある」
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