報道の裏にある年末年始「渋滞予測」本当のところ。渋滞予測は果たして合っているのか?

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コロナ禍の影響もほぼ解消し、物流も以前よりも活発になり、インバウンドのタクシーやレンタカー利用も増えているなどさまざまな要因が想像できるが、すでにキャパシティを超えている印象だ。

現在、外環道と東関東道が接続する「高谷JCT」から、東関道より南を蘇我方面に伸びる新たな湾岸沿いの自動車道の建設が検討されているが、本当にできるのかどうかはまだわからず、当面渋滞解消は遠そうだ。

また、日々利用している道路ではないが、何かと使うことが多いため、東名高速の東京から厚木方面の道路情報も注意して聴いているが、普通の平日でも「綾瀬スマートIC」や「海老名JCT」を中心に、朝から夕方まで10km以上という渋滞情報が流れてくる。

伊勢原JCT付近や大和トンネル付近など、東名高速には渋滞の要所が多い(写真:show999 / PIXTA)

3連休のときなどニュースで東名高速の渋滞情報を聴くと、アナウンサーはさも連休ですごく渋滞しているようなニュアンスで放送するが、日々の渋滞を知っている身からすると「平日とそんなに変わらないのに……」と、少し反発したくなってしまう。

外環道や圏央道の一部でも、交通情報を聴く限り、連休中かと思うほど平日もかなり混んでいる。

なぜ渋滞は一向に減らないのか?

NEXCO各社が日々、渋滞解消のためにさまざまな改良を行っているのは、積極的な発信から知ることができるが、渋滞はあまり減っていない印象だ。

どこかが改良されて、その地点の渋滞が減ったように見えても、実は渋滞の先頭が「少しずれただけ」ということもある。

日本の高速道路への不満は、高い通行料と並んで、渋滞が一向に解消しないことへの声が多い。しかし、通行料を引き下げれば、高速道路の利用者が増えることは明確で、渋滞に拍車をかけることになるだろう。

このふたつの課題は、新型コロナウイルスによる移動の自粛のような緊急事態がない限り、半永久的に続きそうな気がしてならない。

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佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、高崎経済大学特任教授、京都光華女子大学教授を歴任し、現職。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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