「東京モーターショー改めジャパンモビリティショーとなるため、テーマに沿うようなコンテンツを出してほしいと、主催者(日本自動車工業会)から要請を受けましたから。リアリティに欠けていても、『とにかく出しておこう』と……」
ミュンヘンのIAAモビリティは、2部構成のような形で開催された。メッセ・ミュンヘンという見本市会場を使うかたわら、ミュンヘンの目抜き通りに主要メーカー各社が大きなパビリオンを設置。そこに車両を並べ、元気な男女コンパニオンを配置して、記念品を配っていた。
しかも、パビリオンでの展示は、市販車が中心だ。もしくは、2024年には発売する予定の車両。たとえば、フォルクスワーゲン。
同社はそこで、新型「パサート」をはじめ、小型で安価と発表して話題になっている「ID.2all」や、BEV時代のスポーツハッチ「ID.GTIコンセプト」を並べた。
そして、小さな劇場風の仕掛けをこしらえて、同社がデザインした車両が登場するディズニー・チャンネルの人気コンテンツ「ミラキュラス」のプレビューをポップコーンとともに提供する、という具合だった。
BMWは、新世代のBEVセダン「ノイエクラッセ」や、まもなく発売する新型「ミニクーパー」と「ミニカントリーマン」(ともに展示車両はBEV)などを置いていたし、メルセデス・ベンツは自社のパビリオンで2024年発売ともいう新世代のGクラス「EQG」を発表した。
やっぱり、楽しくないと盛り上がらない。というのが、2つのショーを見比べての私の感想だ。
マツダ「アイコニックSP」の実現性
そんなジャパンモビリティショー2023にあって、気を吐いていたのがマツダだ。「アイコニックSP」なる真っ赤なスポーツカーを展示して、大きな評判を呼んでいた。
まだコンセプトと銘打たれているものの、完成度は高いうえに、すでに「MX-30 ロータリーEV」として9月に発表した、ロータリーエンジンを2基使ったシリーズハイブリッド(エンジンを駆動用バッテリーの充電用に使用する方式)というのも、現実的だ。
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