マツダと長安(チャンアン)汽車の合弁である長安マツダが、オート上海で世界初公開した「EZ-60」も例外でない。

電動SUVのEZ-60は、26.45インチの5Kディスプレイや3Dヘッドアップディスプレイ、それに23個のスピーカーを使った3Dサウンドシステムを車内に搭載。
車内でのインフォテインメントシステムを重要視する中国市場だけに、会場では来場者が競うように車内に乗りこんでいたのが印象的だった。
「進取の気性に富んだ中国のお客様」とはマツダのプレスリリースに書かれた文言。なるほど、と思わせる内容だ。
中国のサプライチェーンは「国内完結型」へ
中国の自動車業界は昨今「ローカル・フォー・ローカル」としてサプライチェーンの見直しを提唱。かつては世界規模で行っていた部品調達の体制を、国内で完結するような方向に転換を図っている。
たとえば部品調達においての「配送時間の短縮」と「配送費の削減」、それから部品変更など「フレキシビリティの向上」などが、メリット。さらに、中国企業への投資を呼び込み、「欧州企業などの投資が記録的な額に達している」(オート上海の事業者)と説明されている。
現に、中国メーカーによる市場占有率はかつてより上がっていて、続く第2位は投資額の多いドイツメーカー、第3位は日本だが、占有率はかつてより低下している。
中国のみずほ銀行有限公司のリポート「中国産業概観」によると、乗用車の資本別シェアで中国系メーカーのシェアを見てみると、2020年の35.7%から2024年には60.5%まで上昇しているのだ。

一方、日本メーカーは24.1%から13.7%へと低下し、これまで肩を並べていたドイツ系(2024年は17.6%)との差が拡大している。
1985年に上海で合弁会社をつくり、乗用車の生産をはじめたフォルクスワーゲン、2003年から合弁事業に乗り出したBMW、2005年から本格的に生産を開始したメルセデス・ベンツ、というドイツ勢。
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