埼玉県小鹿野町「バイクで町おこし」成功の要因とは? バイクの社会的ポテンシャルと本気で向き合ったモビリティカルチャーの創出

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埼玉県小鹿野町で開催された「バイクファンミーティング」の参加者たち(写真:小鹿野町)

近年、「リターンライダー」や「女性ライダー」が徐々に増加していることで、2輪自動車(以下、バイク)の新たなる可能性に注目が集まっている。

その反面、国内バイク販売台数は1982年の326万台をピークに大きく減少し、40万台レベルだ。近年、維持はしているものの、自動車産業と比べると産業界や市場へのインパクトが小さいという見方をする人もいる。

そうした中、日本自動車工業会(自工会)を中心とした、バイク関連業界団体各社が協力して行っている「バイクラブフォーラム(BLF)」では、バイク産業に対する正しい社会的評価とバイクがきっかけとなるカルチャーの創出について議論し、情報発信を続けている。

今回は、9月18日に埼玉県小鹿野町で開催された「第13回バイクラブフォーラム in 埼玉・おがの」を現地取材し「バイクの未来」を考えた。

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「町を元気にするプロジェクト」でバイク施策を

まずは、小鹿野町を紹介したい。

埼玉県の西部に位置し、秩父市と群馬県に接している小鹿野町は、秩父多摩甲斐国立公園や県立西秩父自然公園などの自然に恵まれた地域であり、さらに古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群が国指定天然記念物に指定され、地質学的に注目されている地域でもある(小鹿野町ホームページより)。

今回「バイクラブフォーラム(BLF)」が行われた小鹿野町文化センター(筆者撮影)

観光や文化の面では、「両神山麓花の郷 ダリア園」や、二百数十年の歴史を持つ小鹿野歌舞伎などが知られており、町のキャッチコピーは「花と歌舞伎と名水のまち・おがの」だ。

人口は令和7年8月1日時点で9890人、世帯数4465世帯。

そんな小鹿野町が「バイクで町おこし」に着手したきっかけは、2005年(平成17年)10月1日の旧小鹿野町と旧両神村との合併だ。

当時、町役場の担当者で現在「ウェルカムライダーズおがの」代表を務める強矢立家氏によれば、「町を元気にするプロジェクト」を約1年かけて検討した結果、バイクを活用した施策に辿りついたという。

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