今までのエアコン選びはここに無駄がある。電力中央研究所のプロが指摘。省エネで快適なエアコン暖房の選び方、使い方とは?
経済産業省・資源エネルギー庁のパンフレットによれば、冬季の家庭における1日当たりの電気の使用割合で、暖房は全体の32%、うちエアコンは半分以上に相当する17%を占めている。こうしたデータから見ても、エアコンをうまく使いこなすことが重要であることがわかる。
また、ほかの電気式暖房機器としては、電気ストーブ、電気カーペット、こたつなどがある。これらの機器と異なり、エアコンは周囲の温熱環境や機器性能によって動作が変化し、消費電力にも影響をする。そのため、エアコンを選ぶ際には、ほかの暖房機器にはない工夫が必要である。
では、どのようなエアコンを選び、どのように使用すれば消費電力を抑えられるのか。「選び方」と「使い方」に分けて説明したい。
省エネにつながるエアコンの選び方
1つ目の着目点として、省エネ性能に関する指標である、APF(Annual Performance Factor:通年エネルギー消費効率)が挙げられる。これは、年間を通じて一定の条件の下でエアコンを使用した際に必要となる冷暖房の能力を、年間の消費電力量で除した値である。
APFの値が大きいほど、少ない電力で熱負荷(ある温度に保つためにエアコンが処理する熱量)を処理でき、省エネ性能に優れた機器だといえる。国が定めた「統一省エネラベル」に記載される星の数もこのAPFに基づいて表示されており、購入時にはAPFの値が高い機器を選ぶことが重要である。
2つ目の着目点として、適切な機器容量の選定が挙げられる。一般的に、エアコンを購入する際、カタログなどに記載された「畳数目安」(部屋の広さ)を参考にして機器容量を選ぶことが多い。しかし、この畳数目安では、本来必要な容量(冷暖房能力)よりも大きい機器容量が選定されることが多く、エネルギーの無駄遣いにつながりやすいことが指摘されてきた。その理由として、畳数目安の基になる熱負荷の値が、現在の住宅性能や使い方と乖離していることが挙げられる。
部屋の熱負荷は、部屋の大きさに応じて大きくなる。それ以外にも、気象条件(地域)や住宅の断熱性能、階、方位といった住宅特性に加え、生活者がどの時間帯に何℃の温度設定でエアコンを使用するかといったライフスタイルによっても異なる。




















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