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「炭素利益率(ROC)」が高い100社ランキング。SDGs企業ランキングの評価にも使うCO2と営業利益を組み合わせた新たな企業の見方

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2050年ころの脱炭素を目指す国際海運も遅れが出始める(画像:Avigatorphotographer/PIXTA)

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国連は2015年、貧困や飢餓の撲滅、ジェンダー平等、クリーンエネルギーの推進など、17の目標と169のターゲットから構成されるSDGs(持続可能な開発目標)を採択した。目標達成を目指す30年まで残り5年となるなか、日本ではどのように取り組まれてきたのか。今回はサステナビリティの重要テーマ​であり、SDGs企業ランキングでも重要なテーマである二酸化炭素(CO2)排出量について新しい見方のランキングをご紹介する。

SDGs(持続可能な開発目標)企業ランキングの評価指標でもある二酸化炭素(CO2)排出量は脱炭素化というグローバルな社会課題解決で最大級のテーマとされてきた。各国レベルでは、2015年の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定に基づき、CO2など温室効果ガス(GHG)の排出量と吸収量を均衡させるカーボンニュートラルを50年までに目指すケースが多い。

日本も30年度の温室効果ガスを、13年度比で46%削減し、35年度には同60%削減、50年までにカーボンニュートラル達成という目標を掲げている。

これに向けて26年度からCO2直接排出量(スコープ1)が3年平均で10万トン以上の大規模排出事業者を対象に、排出量取引への参加を義務化。33年度からは発電事業者に対し、段階的に排出枠の有償オークションが導入される計画だ。

営業利益をGHG排出量で割って算出したROC

このように企業が排出するCO2に対して、新たな負担が増え、業績に影響する時代が近づいている。そこで、今回はその耐性度を見るため営業利益をGHG排出量で割って算出する「炭素利益率(Return On Carbon:ROC)」をご紹介する。

計算に使うGHGは自社が直接排出するスコープ1と使用電力などの間接排出のスコープ2の合計値を使った。来年度開始の排出量取引の条件であるスコープ1より条件を厳しくしている。このROCの数値が高ければ、将来、炭素排出に伴う炭素税などのカーボンプライシングが一般化しても、新たに発生するコストを現状の利益水準で対応でき、財務面での余裕度が高いと判断できる。

この考えに基づき、連結優先の3期平均営業利益(24年3月期まで)と『CSR企業総覧(ESG編)』2025年版(24年調査)掲載のGHG排出量(23年度のスコープ1+2)を使い、排出量1万t-CO2以上の一般事業会社(金融機関を除く)を対象に上位100社のランキングを作成した。

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