SDGs(持続可能な開発目標)企業ランキングの評価指標でもある二酸化炭素(CO2)排出量は脱炭素化というグローバルな社会課題解決で最大級のテーマとされてきた。各国レベルでは、2015年の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定に基づき、CO2など温室効果ガス(GHG)の排出量と吸収量を均衡させるカーボンニュートラルを50年までに目指すケースが多い。
日本も30年度の温室効果ガスを、13年度比で46%削減し、35年度には同60%削減、50年までにカーボンニュートラル達成という目標を掲げている。
これに向けて26年度からCO2直接排出量(スコープ1)が3年平均で10万トン以上の大規模排出事業者を対象に、排出量取引への参加を義務化。33年度からは発電事業者に対し、段階的に排出枠の有償オークションが導入される計画だ。
営業利益をGHG排出量で割って算出したROC
このように企業が排出するCO2に対して、新たな負担が増え、業績に影響する時代が近づいている。そこで、今回はその耐性度を見るため営業利益をGHG排出量で割って算出する「炭素利益率(Return On Carbon:ROC)」をご紹介する。
計算に使うGHGは自社が直接排出するスコープ1と使用電力などの間接排出のスコープ2の合計値を使った。来年度開始の排出量取引の条件であるスコープ1より条件を厳しくしている。このROCの数値が高ければ、将来、炭素排出に伴う炭素税などのカーボンプライシングが一般化しても、新たに発生するコストを現状の利益水準で対応でき、財務面での余裕度が高いと判断できる。
この考えに基づき、連結優先の3期平均営業利益(24年3月期まで)と『CSR企業総覧(ESG編)』2025年版(24年調査)掲載のGHG排出量(23年度のスコープ1+2)を使い、排出量1万t-CO2以上の一般事業会社(金融機関を除く)を対象に上位100社のランキングを作成した。




















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