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日本生命朝日社長「情報の取り扱いに無頓着だった」、出向者による内部情報の無断持ち出し問題めぐり/「組織ぐるみ」は認めず、再調査は否定

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日本生命 社長 
朝日智司(あさひ・さとし)/日本生命保険 社長。1987年京都大学経済学部卒業、日本生命保険入社。2014年執行役員、23年副社長執行役員。25年4月から現職(撮影:今井康一)
日本生命保険の朝日智司社長が東洋経済のインタビューに応じ、出向者による銀行内部情報の無断持ち出しについて、その原因や処分内容を当初非開示とした理由などについて語った。ただ、質問に正面から答えることは終始避け、情報の無断持ち出しの組織性については言葉を濁す場面が目立った。

不適正な手法で取ってこいとの意図はない

――銀行内部情報の無断持ち出しについて。記者会見などで「組織ぐるみ」であったことを否定しています。しかし、本社の金融法人部門の担当者は、出向者が銀行に無断で持ち出した情報と認識しながらその情報を受け取り、さらに部門の内外に共有していました。

そのことは、日本生命自身が調査結果として対外的に説明しています。経営陣による指示の有無にかかわらず、誰がどう見ても会社ぐるみ、組織ぐるみの行為ではないですか。

今回の問題の主因は、出向者が直面するリスクについて、金融法人部門の想像力が働いていないことにある。出向者に対しては、情報収集することの期待を会社として伝えている。そのときに上長に許可を取ったうえで資料を収集するべきなど、情報の取り扱いに関するガイドラインをしっかりと作れていなかった。

不適正な手法で取ってこいという意図があったわけではないと確認しているが、ガイドを作れていない状況で情報収集に対する期待を伝えるというのは、出向者からするとプレッシャーを感じる。そうした風土を醸成していたと反省している。

――情報の無断持ち出しと本社内での共有という組織性についてはいかがですか。

情報収集は正しくないとダメなんだというガイドを、お互いに持てていないので、そのことが一番の課題だ。組織性というか、われわれが今回正さないとダメなのは、出向者が直面するリスクに対してきちんと想像力を果たさず、彼らを追い込む事態を招いてしまっていた。このことを反省すべきだ。

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