<独自>日本生命がひた隠しにする出向者「スパイ活動」の組織的指示、内部資料には「銀行は情報流出に厳格なので注意せよ」との文言が
銀行に出向していた生命保険会社の職員が、銀行内部の情報を無断で持ち出していた問題で、業界最大手の日本生命保険とその完全子会社のニッセイ・ウェルス生命保険が11月18日、オンラインで記者会見を開いた。
親会社の日本生命は9月にも同様の会見を行っており、いずれの会見でも組織的な指示については否定した。だがそうした答弁には疑義があり、日本生命本社の関与があったことが東洋経済の取材でわかった。
会見では組織的指示を否定
11月18日の会見でウェルス生命の上田泰三取締役常務執行役員は、2つの金融機関で、合計943件の内部情報を出向者が無断で持ち出していたと説明。会見では個別の銀行名は伏せていたが、三井住友銀行とみずほ銀行とみられている。
無断で持ち出した情報は、銀行における金融商品全体の販売方針や評価基準、他社生保の商品販売実績、研修資料などで、営業推進や営業支援策の検討に利用するのが目的だったという。情報の一部は親会社の日本生命にも共有しており、グループがまさに一体となって、組織的に「スパイ活動」にいそしんでいた様子がうかがえる。
会見では、報道陣から組織的な関与について問われる場面が何度もあったが、上田常務は「会社ぐるみといった組織性はなかった」なとど否定。会見に同席した日本生命の柏原宏治執行役員総合企画部長も、「役員などの指示はなかった」と述べ、同様に否定した。



















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