日本生命に蔓延する「矮小化」と「忖度」、情報漏洩問題の"火消し"に失敗し証拠隠滅の疑いも消えず

日本生命保険の職員が出向先で内部情報を不正に取得・漏洩していた問題は、火消しができない状態が続いている。
日本生命は9月12日に記者会見を開き、2019年5月から2025年2月までの約6年間で、銀行をはじめ7つの保険代理店から計604件の内部情報を、出向者13人が無断で持ち出していたと発表した。
内部情報とは、銀行の支店ごとの保険販売のデータや売れ筋商品、販売計画、保険販売における行員の評価体系、競合生保の商品改定情報などだ。特に銀行窓口における競合生保の商品販売動向や商品改定の情報は、銀行の「営業秘密」に当たるおそれがあり、スパイ活動を取り締まる不正競争防止法違反に問われる可能性がある。
問題を長期化させる2つの要因
無断持ち出しの手口はさまざまだ。三菱UFJ銀行への出向者のケースでは、私用のスマートフォンで資料を撮影してメッセージアプリで送信する、紙の資料を郵送する、あるいは直接手渡すといった手口が確認されている。
さらに、出向者から内部情報を受け取った金融法人部門の担当者23人は、情報の一部を同部門の役員や管理職など最大で約280人に、メールなどで共有していた。日本生命は、出向者と金融法人部門の担当者双方が「不適切な情報取得と認識しながら、意図的に行為に及んでしまった」(宮嶌隆浩取締役常務執行役員)としており、その悪質性、組織性の強さがうかがえる。
それ故、見過ごせない問題として“炎上”したのだが、そもそもこの種の不祥事は損害保険業界で1年以上前に発覚しており、前代未聞というわけではない。対応次第では、早期に沈静化できたはずだった。
ところが、発覚から2カ月以上が経った今も、日本生命は火消しすることができていない。その理由をひもとくと、大きく2つの要因が見えてくる。
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