多くの組織でコンプライアンスが重視されていくなか、多様な視点での監視が必要となっている。とくにトップに近い存在であるほど、もみ消すことも可能で、その後さらに大きな問題になる場合もある。そこで重要と考えられるのが内部通報だ。多くの企業で制度は整ってきたが、実際に動いているかどうかを見るのは難しい。
そこで、その実現度を見ていく1つの方法が一定の通報可能者当たりでどれだけの通報があったかを見ることだ。また、最近の通報窓口は子会社を含めたグループ企業を対象とするものが一般的となっている。そこで今回、連結従業員数100人に対して通報件数がどれだけあるかをご紹介する。
なお、内部通報の件数ランキングはこちらをご覧いただきたい。
1位はIR支援大手のプロネクサス
対象は『CSR企業総覧(ESG編)』2025年版掲載1715社のうち相談等を含む内部通報件数の回答・開示があり(783社)、連結従業員数が1000人以上の324社。連結従業員数100人当たり通報件数の上位100社をランキングした。どのような企業が上位になるのか。結果を見ていこう。
1位は上場企業のディスクロージャー、IR支援大手のプロネクサス。電子開示用システムに強い。通報88件に対して、連結従業員数は1660人。全社員へのコンプライアンス研修を年2回実施。新入社員向けや長期派遣社員向けにも行っている。内部通報件数のフィードバックを実施するなどの取り組みを行う。
2位はエーザイ。件数340に対して、連結従業員数は1万1067人。100人当たり3.07件となっている。全子会社にコンプライアンス窓口を設置し、海外子会社から本社への直通ラインを整備している。
幅広く通報内容を受け付けているため、多くは規則等に関する問い合わせとなっているが、通報しやすい環境ができていることがうかがえる。



















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