4月20日まで全店舗が一時休業中の脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」。運営会社の内紛は予想外の展開を見せている。

「本当にお世話になりました。これからどうされるんですか」
「私は『移ろうか』と思っているのですが、どうされます?」
3月31日、大手脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の運営会社MPHのオフィスでは、女性従業員たちがこんな会話を交わしていた。握手をしたり、連絡先を交換し合ったり、中には会社の看板前で記念撮影する姿も。その様子は、さながら卒業式のようだった。
じつはこの日、MPHの従業員たちは全員、会社都合による退職となり、最後の時間を過ごしていたのだ。
「全店休業」の次に「全従業員の退職」
ミュゼは現在、全店舗で一時休業中だ。
「この度、当社は新たな経営体制への移行に伴い、国内優良企業からの資金支援を受けることが正式に決定いたしました。つきましては、各種準備を円滑に進めるため、誠に勝手ながら令和7年3月22日(土)から4月20日(日)までの期間、全店舗を一時休業とさせていただきます」
約1カ月間の休業に入る前日、MPHはホームページ上に「資金支援およびサービス拡充準備に向けた一時休業のお知らせ」を掲載。休業理由をこう説明した。しかし複数の従業員たちは「事実と異なる」と明かす。
「自主休業が拡大の兆しを見せ、反乱がこれ以上拡大する前に、全店舗休業という荒業に出ざるをえなくなったのだ。『お知らせ』には綺麗事が並べられていたが、文面どおり受け取る従業員はほぼいなかった。単なる時間稼ぎだと感じた従業員が大半だった」
ミュゼでは昨年11月末から給料の遅延や未払いが続き、不満を募らせた一部の従業員たちが3月19日から自主的に休業するなど“反乱”を起こしていた。そのため、店舗運営がままならず、仕方がなく全店舗で休業することにしたというのだ(詳細は3月21日配信「『脱毛サロン大手ミュゼ』従業員怒り爆発で休業へ」を参照)。
しかし混乱は収まらず、全店一時休業からわずか8日を経て、今度は全従業員の退職という事態にまで発展してしまう。なぜこんなことになってしまったのか。じつは休業の裏で起きていた、ミュゼ争奪をめぐるMPHの内紛にその理由が隠されている。