
ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループが、中国のAI(人工知能)スタートアップ企業、地平線機器人技術研発(ホライゾン・ロボティクス)との協業を深めている。両社は4月7日、VWが中国市場に投入する新型車に地平線機器人のAI半導体をベースにしたハイレベルの先進運転支援システム(ADAS)を搭載すると発表した。
2015年に創業した地平線機器人は、自社設計のAI半導体や自動運転アルゴリズムなどの開発を手掛ける。VWは2022年10月に地平線機器人と提携し、両社で合弁会社を設立することに合意した。
その後、VW傘下のソフトウェア開発会社カリアド(CARIAD)が資本金の60%、地平線機器人が40%を出資し、2023年12月に合弁会社「酷睿程(カリゾン)」が発足。同社の役割は、VWが中国市場で販売するEV(電気自動車)向けに、地平線機器人のAI半導体をベースにした自動運転システムを開発することにある。
「レベル2+」を路上テスト
「酷睿程が開発した『レベル2+』のADASは、すでに大規模な路上実証テストの段階にある。これを2026年に発売する新型EVに搭載する予定だ」。地平線機器人との協業の進捗について、VWはそう説明した。
自動車の自動運転技術の水準は「レベル0」から「レベル5」までの6段階に分けられており、最高のレベル5は完全な無人運転を意味する。また、「レベル1」と「レベル2」では運転操作の主体を人間のドライバーが担い、「レベル3」以上では(人間に代わって)システムが主体を担うという区分けがある。
(訳注:中国の自動車業界では、運転操作の主体はドライバーのままシステムの運転能力をレベル3相当以上に高める競争が活発で、それに「レベル2+」などの呼び名をつけている)
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