ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループが、中国メーカーとのEV(電気自動車)およびPHV(プラグインハイブリッド車)の共同開発プロジェクトを拡大している。
同社は6月27日、中国の自動車最大手の上海汽車集団(上汽集団)と多項目にわたる技術提携契約に調印したと発表した。その中には、両社の合弁会社である「上汽VW」において2車種の新型EVと3車種の新型PHVを共同開発するプロジェクトが含まれる。
VWと上汽集団は2023年8月、上汽VWでPHVを共同開発する計画をすでに明らかにしていたが、今回、協業の範囲をEVにも広げた。上汽集団によれば、上述の5車種を2026年から続々と市場に投入するという。
ドイツ開発のEV、中国で苦戦
自動車業界のグローバル企業の中で、VWはエンジン車からEVへのシフトに最も積極的な1社だ。同社はEV専用プラットフォーム(車台)「MEB」を(ドイツ本社で)開発し、それをベースにした「ID.3」や「ID.4」などの主力EVを相次いで市場に投入してきた。
だが、それらの販売はVWが期待したほど伸びていない。とりわけ中国市場での売れ行きはパッとせず、大幅な値引きにより何とか販売台数を維持しているのが実態だ。
さらに、中国市場では地場メーカーの比亜迪(BYD)などが、価格をエンジン車並みに引き下げたPHVやEVを次々に発売。VWにとって中国事業の収益基盤であるエンジン車の市場を、ごっそりと奪いつつある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら