タイの自動車産業で「中国勢」の存在感が急上昇 EV最大手「BYD」の工場竣工、他社も続々と進出

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日本車の牙城だったタイ市場で、BYDは2023年に3.9%のシェアを獲得。現地工場の稼働により、さらなるシェア拡大を目指している(写真は同社ウェブサイトより)

中国のEV(電気自動車)最大手の比亜迪(BYD)は7月4日、タイ東部のラヨーン県に建設した乗用車工場の竣工式典を開催した。この工場の生産能力は年間15万台。式典に出席したBYD董事長(会長に相当)の王伝福氏は、(工場のフル稼働時には)地元に1万人を超える雇用をもたらすとの見通しを語った。

タイ工場はコンパクトEV「ドルフィン」の組み立てからスタートし、将来は複数車種のEVを生産する計画だ。王氏はさらにPHV(プラグインハイブリッド車)も導入したいと意欲を述べた。

広汽埃安や奇瑞汽車も

ここ数年、中国の自動車メーカーは先を争うようにタイに工場を建設している。BYDに続き、中国EV市場で第2位の広汽埃安(広汽アイオン)も年間生産能力5万台の工場を7月中旬に完成させる。新興EVメーカーの哪吒汽車(ネタ)は、同2万台の工場をすでに2023年11月に稼働させた。

国有大手の上海汽車集団(上汽集団)や民営中堅の長城汽車(グレートウォール)のタイ進出はずっと早く、前者は2014年、後者は2021年から現地生産を開始している。進出ラッシュは今後も続き、国有大手の長安汽車や国有中堅の奇瑞汽車などがEV工場の建設計画を進めている。

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