鉄道復権の象徴「夜行列車」欧州で廃止相次ぐ実情 一方で「新規参入」も活発、明暗を分けるのは何か
環境意識の高まりを発端とする欧州での「鉄道復権」の象徴的な存在として、新規路線が次々と開設されるなど注目を集めてきた夜行列車。だが、実際には必ずしも順風満帆というわけではない。
欧州の複数のメディアは2025年10月、スウェーデン鉄道(SJ)によって運行されているスウェーデンの首都ストックホルムとドイツのベルリンを結ぶ夜行列車(ユーロナイトEN)が、2026年8月31日をもって廃止されると報じた。スウェーデン政府からの補助金が同年7月末で終了することが理由だ。
同国政府は2022年9月にこの夜行列車が運行を開始した際、4年間の補助金拠出に合意したが、延長は行わない決定を下した。
2022年に登場、満席も多いのに…
この夜行列車は当初、ストックホルム―ハンブルク間で運行を開始し、2023年夏ダイヤからは区間をベルリンまで延長した。
車両はリースによって賄われたが、列車が通過するデンマーク国内における車両認証規定が変更され、以前は運行可能だった車両も再度認証させる必要が生じたため寝台車を用意できず、当初は認証をクリアしたクシェット(簡易寝台)のみで編成されていた。
だが、その列車編成も2年がかりで寝台車と座席車を加えてようやくすべてが出揃い、さまざまな客層に対応。スウェーデン国内では食堂車も連結された。



















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