鉄道復権の象徴「夜行列車」欧州で廃止相次ぐ実情 一方で「新規参入」も活発、明暗を分けるのは何か
「我々は純粋に商業的観点で何が実現可能かを考えることに慣れているが、スウェーデン鉄道は補助金を得ており、それをする必要がない」「顧客が何を求め、何にどれだけ費用がかかるのかをきちんと理解する必要がある」と、ホルムバーグ氏は補助金頼りの旧国鉄系企業を批判する。
その意見はもっともで、民間企業が経営努力によって補助金なしで運行を続けている中、政府の後ろ盾がある旧国鉄系企業のスウェーデン鉄道が、補助金がなければ撤退するという姿勢は批判を受けても仕方ないだろう。
スウェーデン鉄道が撤退を表明した夜行列車についても、民間企業が運営を引き継ぐ予定だ。運行継続を表明したのはドイツの車両リース会社「RDC」で、同社はスウェーデン鉄道に車両を提供していたパートナーだ。
つまり、ストックホルム―ベルリン間の夜行列車は車両もダイヤも同じまま、2026年9月以降は運営だけがスウェーデン鉄道からRDCに変わるということで落ち着いた。
パリ―ウィーン線も廃止に
華々しく登場した夜行列車の廃止は他国でも起きている。2021年12月、約14年ぶりに復活したウィーン―パリ間を結ぶ夜行列車「ナイトジェット」(2022年1月7日付記事『パリ―ウィーン間「夜行列車」14年ぶり復活の意義』参照)も、運行会社のオーストリア鉄道(ÖBB)は今年9月29日、12月の冬ダイヤ改正で廃止すると発表した。共同運行するフランス国鉄(SNCF)が提携を解消したためだ。
これにより、2023年12月から運行されていたベルリン―パリ線も同時に廃止となる。こちらはわずか2年という短命で終了となった。



















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