「東京メトロが運営」ロンドン地下鉄に起こる変化 イギリス鉄道の転換点?「再国営化」も動き出す

5月25日、日本の都市鉄道事業者が初めて、イギリスの都市交通運営の中枢に加わるという静かな転換が起きた。東京メトロが同国の交通事業者ゴーアヘッド(Go-Ahead Group)、住友商事とともに設立した会社「GTSレールオペレーションズ」が、ロンドン中心部を貫く地下鉄エリザベス線の運営を開始したのだ。
利用者から見れば、車両の外観やスタッフの制服などが変わったわけではなく、駅での表示にも特段の変化はない。だが背後では、運行を担う責任の所在が変わり、そこに東京メトロが参画したわけだ。
「見た目」ではわかりづらい今回の転換劇。「ロンドンに東京メトロ流の運営が持ち込まれる」といった報道もあるが、はたして実際はどうなるのか。転換の背景とともに追ってみたい。
「運行事業」への参入例はわずか
東京メトロの参画は、日本の都市鉄道事業者が現地の運行コンソーシアムの中で責任を共有するという新しい動きである。しかし、まったくの「初」ではない。
日本の鉄道事業者が海外の都市鉄道運営に本格的に関与した事例と
これは三井物産とブラジル企業との合弁事業への出資を通じて運行
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