フランスは「平均44歳」欧州に旧型客車多い事情 鉄道復権で中古需要活発、新車導入も進むか

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DB 103形 客車列車
ドイツ鉄道の103形電気機関車が牽引する客車列車。かつては国内・国際優等列車の中心的存在だった(撮影:橋爪智之)

日本では、機関車が客車を牽引するいわゆる客車列車はクルーズトレインの「ななつ星」や観光用のSL列車「SLやまぐち号」のような特別な列車を除いて、ほぼ絶滅に近い状況となっている。

一方、ヨーロッパでは高速列車をはじめ、電車や気動車が急速に数を増やしているものの、日本と比較すればまだ多くの客車列車が残っている。環境問題の後押しで鉄道の復権が進む中、中古客車を調達して列車運行ビジネスに参入する民間事業者も少なくない。

だが、ヨーロッパ全体で客車の高経年化、老朽化は進んでいる。一部では、旧型客車の強度や耐久性の問題を指摘する声もある。実際、どのくらいの「車齢」の客車が使われているのだろうか。

フランスの客車は平均「44歳」

ドイツの調査会社SCIフェアケール(SCI Verkehr)がまとめたデータによると、ヨーロッパ大陸諸国で車両の保有数トップ5の各国(フランス、イタリア、ポーランド、スイス、ドイツ)における客車の平均車齢は33年に達している。

【写真】1990年代の国際列車や夜行列車から最新型の「レイルジェット」「ナイトジェット」まで、ヨーロッパの鉄道を走る「客車列車」の数々

5カ国の中で最も平均車齢が高いのはフランスで、実に44年。日本でいえば旧国鉄時代に製造された客車が当たり前ということになる。2番目に車齢が高いのはイタリアで38年。次いでポーランドの34年、スイスの33年と続く。5カ国の中で最も低いのはドイツで24年。フランスとドイツの客車の平均車齢には20年もの開きがある。

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