通勤電車の王道、京成「新3200形」唯一の惜しい点 分割・併合が簡単、多くの路線に投入可能だが
京成電鉄が1月24日、新型車両3200形を宗吾車両基地(千葉県印旛郡酒々井町)で報道公開した。
青空にステンレスの地肌が輝く。車体側面に引かれた青と赤のラインのコントラストが美しい。青と赤は京成の伝統的なコーポレートカラーである。車内を見渡すと車いすスペースや防犯カメラなど通勤電車に必須の設備はすべてそろえているが、装飾的なものは少なく、すっきりした印象を受ける。通勤電車の王道ともいえるデザインだ。
これらのデザインにはすべて理由がある。3200形はなぜ生まれたか。その秘密に迫る。
2両単位で柔軟な編成
数多くある通勤電車のラインナップのうち、京成本線などで運行している3500形は製造からおおむね40年以上が経過しており、新型車両に置き換える必要があった。そこで開発されたのが3200形である。
3200形という形式は1964年から2007年にも存在しており、今回は2代目。成田スカイアクセス線を走る3100形が2019年10月に製造されており、5年ぶりの新型車両となる。
開発時に考慮された最大のポイントは、編成の自由度を高めることだ。近年は訪日外国人観光客の利用が増えているとはいえ、長期的に見れば沿線人口の減少は避けられない。さまざまな輸送需要に合わせて効率的に走行エネルギーを利用できるように、2両単位で4両、6両、8両などさまざまな編成に容易に対応できるようにした。
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