「EF81」万能選手の電気機関車"ハチイチ"の記憶 ブルトレから貨物まで牽引、「日本海縦貫線」の主力
筆者が「カシオペア」に初めて乗車したのは、ある旅雑誌の取材だった。実はこの時も厳冬の大雪の季節で、列車は大幅に遅れ、本来は夜中に通るはずの盛岡に朝到着。「この先、奥中山で吹雪の吹き溜まりがあり列車が動けなくなったため発車を見合わせる」という駅放送があり、それから午後まで盛岡駅に止まったままで、先頭のカラフルなEF81形を眺めての待機状態が続いた。
 
結局、取材はここで断念して午後の新幹線で帰京したが、これも今となってはEF81形を満喫した良き(?)思い出である。
「銀ガマ」300番台の思い出
「ゆうづる」「あけぼの」をはじめ、EF81形は数々の寝台特急の牽引にあたった。昭和50年代の「ブルートレインブーム」の時代、筆者は何度もブルートレインの同乗取材を行ったが、その中で印象深いのが車体をステンレス製としたEF81形300番台だ。
 
九州行きのブルトレは、本州と九州をつなぐ関門トンネルのある下関―門司間では短距離ながら機関車が交代した。本州は直流電化、九州は交流電化であり、門司駅構内で電気方式が切り替わるためだ。この区間では海水による腐食防止のため車体をステンレス製とした交直両用の電気機関車EF30形が牽引していたが、この後継として登場したのがEF81形300番台である。無塗装ステンレスの銀色の車体は異彩を放ち、被写体として魅力ある存在だった。
 
EF81形300番台は73年にデビューし、EF30形とともに使用された。78年のダイヤ改正からはこの短区間のみの機関車にもブルトレのヘッドマークが装着されるようになり、ブルトレファンや機関車ファンたちの「聖地」となった。ここで活躍したEF81形300番台はその後九州内の貨物牽引機としても運用され、その外観から「銀ガマ」「銀チャン」などと呼ばれ「撮り鉄」に親しまれた。





 
         
         
        
       
        
       
           
          
         
          
         
          
         
         
         
         
        












無料会員登録はこちら
ログインはこちら