スペイン製のドイツ新型特急「ICE L」期待と不安 2年遅れたデビュー、メーカーの先行きは不透明

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ICE L
ドイツ鉄道の新型客車「ICE L」(撮影:橋爪智之)

2025年10月17日、ドイツ鉄道(DB)は最新の客車列車「ICE L」を正式に発表した。

15年に開発がスタートしてから約10年の歳月を経て、ついに正式デビューとなった同車は、今年12月14日の冬ダイヤ改正から、まずベルリン―ケルン間で営業運行を開始する予定だ。

この記事の画像を見る(57枚)

「新型車は安定運行に貢献」

ベルリン東駅で開かれた新車発表会には、ドイツ鉄道CEOのエヴェリン・パッラ氏、ドイツ鉄道長距離部門理事のミハエル・ペーターソン氏、ドイツ連邦運輸大臣のパトリック・シュニーダー氏、車両を製造したタルゴ社(スペイン)会長のカルロス・デ・パラシオ・イ・オリオール氏が出席した。パッラ氏は、「近年、私たちは一貫して車両を近代化し、多くの新しい高速列車を取得してきたが、新しいICE Lは乗客の快適性と信頼性の向上に明確に取り組んでおり、安定運行に貢献するだろう」と語った。

【写真】ドイツ鉄道の新型列車「ICE L」は車高の低い短い車体を連ねたスペイン・タルゴ社製のユニークな客車。食堂車や家族向けコンパートメントもある車内の様子は?外観からインテリアまで徹底紹介

このICE Lのプロジェクトが始まった当時、高速列車「ICE」以外の長距離列車には、2階建てのインターシティ(都市間優等列車)用「IC2」客車と、146.5型・147.5型電気機関車(いずれも旧ボンバルディア=現アルストム製)が導入されていた。しかし、これらは国際運用には適しておらず、最高速度も時速160kmと平凡であったため、より高速で走ることができ、かつ国際運用にも使用可能な新型車両の導入が求められていた。

こうしたなか、新型車両の入札が開始され、19年にタルゴ社が受注を獲得した。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事