スペイン製のドイツ新型特急「ICE L」期待と不安 2年遅れたデビュー、メーカーの先行きは不透明

2025年10月17日、ドイツ鉄道(DB)は最新の客車列車「ICE L」を正式に発表した。
15年に開発がスタートしてから約10年の歳月を経て、ついに正式デビューとなった同車は、今年12月14日の冬ダイヤ改正から、まずベルリン―ケルン間で営業運行を開始する予定だ。
「新型車は安定運行に貢献」
ベルリン東駅で開かれた新車発表会には、ドイツ鉄道CEOのエヴェリン・パッラ氏、ドイツ鉄道長距離部門理事のミハエル・ペーターソン氏、ドイツ連邦運輸大臣のパトリック・シュニーダー氏、車両を製造したタルゴ社(スペイン)会長のカルロス・デ・パラシオ・イ・オリオール氏が出席した。パッラ氏は、「近年、私たちは一貫して車両を近代化し、多くの新しい高速列車を取得してきたが、新しいICE Lは乗客の快適性と信頼性の向上に明確に取り組んでおり、安定運行に貢献するだろう」と語った。
このICE Lのプロジェクトが始まった当時、高速列車「ICE」以外の長距離列車には、2階建てのインターシティ(都市間優等列車)用「IC2」客車と、146.5型・147.5型電気機関車(いずれも旧ボンバルディア=現アルストム製)が導入されていた。しかし、これらは国際運用には適しておらず、最高速度も時速160kmと平凡であったため、より高速で走ることができ、かつ国際運用にも使用可能な新型車両の導入が求められていた。
こうしたなか、新型車両の入札が開始され、19年にタルゴ社が受注を獲得した。
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