「インドネシア国産電車」安全を支える日本の技術 見えない部分で貢献、中国勢にない「強み」は何か
日本製の中古車両が主力として活躍するインドネシア・ジャカルタ首都圏の通勤鉄道で12月16日、インドネシア国営車両製造会社(INKA)製の新型通勤電車「CLI-225型」が長らくの試運転期間を経て営業運転を開始した。
ジャカルタ首都圏の老朽化した日本製中古車両の置き換えをめぐっては、今年2025年6月1日に中国中車青島四方(CRRC)製の「CLI-125型」がデビューしている。東南アジア最大の通勤電車市場は、中国製新車、インドネシア製新車、それに日本の中古車両の3勢力が拮抗することとなった。
日本製品多用の「インドネシア国産」
INKAの広報担当者がデビュー前のメディア対応で、「中国製とインドネシア製、どちらが優れているかということではない」と前置きした通り、CLI-225型は車内に入るとある種の手作り感が漂い、新車でありながら素朴な雰囲気を感じる。
また、中国製のCLI-125型はデビュー初日から終日運行されたが、CLI-225型は初日、「足慣らし」のためにラッシュ時以外の運行となった。2編成を投入し、それぞれが2往復、計4往復の運転で、初期トラブルなどの不安要素を取り除いたうえで本格運用するという慎重な走り出しとなった。実際、初日には軽微なドア故障も発生しており、ラッシュ時を外した運行は正しい判断だったといえる。
CLI-225型の特徴はなんといっても、インドネシア製でありながら日本製品が多用されていることである。開発の経緯については、2025年4月5日付記事『実は日本技術の結晶「インドネシア製電車」の中身』、同26日付記事『「インドネシア国産電車」に見る日本企業の存在感』にて詳報しているが、今回は運行開始に合わせ、乗客にはほとんど見えない部分で安全を支えている日本製品にスポットを当てたい。



















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