SL時代から新幹線まで「雪と闘う鉄道」の記憶 除雪車の豪快な活躍や「防雪林」が守る線路

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DE15 宗谷本線
宗谷本線のDE15形ラッセル車(撮影:南正時)

雪国の鉄道にとって、冬の除雪は安全・安定輸送を確保するための宿命的ともいえる苦難の作業である。筆者は毎年大雪に悩まされる北陸の出身であり、歴史的な雪害だった1963年の昭和38年1月豪雪、通称「三八豪雪」も経験している。

線路上に積もった雪をかき分けて進む除雪車の活躍は鉄道ファンの注目を集めてきたが、大雪の中で鉄路を維持するのは並大抵の苦労ではない。筆者の経験も交え、除雪車だけでなく「雪と闘う鉄道」全般について述べてみたい。

ラッセル車とロータリー車

雪と闘う鉄道を代表するのは、やはり除雪車である。除雪車には大きく分けて雪をかき分ける「ラッセル車」と、線路上や線路際の雪を回転する羽根によって吹き飛ばす「ロータリー車」がある。一般に広く知られているのはラッセル車であろう。

【写真】高い雪の壁に囲まれた只見線のC11形、吹雪の中を走る陸羽東線のC58形三重連、雪まみれの宗谷本線DD14形ロータリー車、そして「三八豪雪」に立ち向かう福井鉄道の除雪作業など、全国の「雪と闘う鉄道」の懐かしい姿

現在の除雪車はディーゼル機関車やモーターカーなど自走できる車両が主流だが、かつては動力を持たない貨車の一種であることが多かった。製造から90年以上という弘南鉄道(青森県)のラッセル車は元国鉄のキ100形(キ104)と呼ばれる車両で、電気機関車が後押しして進む。今ではキ100形による除雪が見られるのは弘南鉄道など一部だが、かつては全国各地で使われ、蒸気機関車が後押ししていた。

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