SL時代から新幹線まで「雪と闘う鉄道」の記憶 除雪車の豪快な活躍や「防雪林」が守る線路

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また、筆者は子どもの頃、「鉄道防雪林」の有効性を学習したことがある。これは吹雪などの被害が起きやすい場所で、線路に並行して針葉樹を植えて風や雪から鉄道を守るための林である。

青森県の野辺地駅(青い森鉄道・JR東日本)周辺には日本最古の鉄道防雪林があり、駅構内を吹雪から守っている。同駅から出ていた、レールバスで有名だった今はなき南部縦貫鉄道もその恩恵にあずかっていた。

野辺地駅 防雪林
野辺地駅に停まる南部縦貫鉄道のレールバス。後ろの林が鉄道防雪林(撮影:南正時)

東海道新幹線の「泣き所」

雪害対策が進んでいる鉄道としては新幹線が挙げられる。東北新幹線や北陸・上越新幹線は在来線が雪で混乱していても安定運行を続けていることが多い。JR東日本の新幹線車両は車両の床下機器をすっぽり覆うボディマウント構造を採用し、積雪の多い区間では加熱した水がスプリンクラーから散水され雪を溶かす。

だが、昔から新幹線が雪に強かったわけではなく、これらは「雪に弱い東海道新幹線」の教訓を生かしたものだ。

東海道新幹線 米原 0系
国鉄時代の東海道新幹線米原駅を通過する0系「ひかり」。雪を溶かすためのスプリンクラーによる散水が見える(撮影:南正時)

東海道新幹線では積雪地帯である岐阜羽島―米原間の約70kmでスプリンクラーによる散水や、列車が走らない時間にはモーターカーラッセルで除雪をしているが、それでも積雪時の関ケ原では徐行を余儀なくされる。かつてほどではなくても関ケ原の雪は東海道新幹線の泣き所だ。

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