SL時代から新幹線まで「雪と闘う鉄道」の記憶 除雪車の豪快な活躍や「防雪林」が守る線路

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筆者の故郷である豪雪地帯の私鉄、福井鉄道は1963年の「三八豪雪」や1981年の豪雪、平成30年豪雪など除雪の苦労を幾度となく経験している。

これまで主に福井市内路面区間の除雪には1923年製の電気機関車デキ11、郊外線ではモーターカーのD-101が主力として使われてきたが、2024年末に新型のMC600形モーターカーが導入され、珍しい大正・昭和・令和の除雪車揃い踏みの体制となった。

福井鉄道 デキ11
大正時代生まれの福井鉄道デキ11。前面に大型のスノープロウを装備している。北府工場で整備中の姿(撮影:南正時)
福井鉄道 デキ11 MC600
福井鉄道デキ11(右)と新型のMC600形モーターカー(撮影:南正時)

新型は川崎重工の関連会社NICHIJOが製造したラッセル・ロータリー機能の両頭軌道モーターカーで、ロータリー最大除雪量は1時間3300トン、投雪距離は最大45mにもなるという。地方鉄道にも高性能な除雪車が導入されるようになっている。

シェルターや「防雪林」が線路を守る

鉄道の豪雪対策は除雪車だけではない。福井鉄道では大雪から線路の分岐器を守る「スノーシェルター」があり積雪による障害を防いでいる。このようなシェルターは近隣のえちぜん鉄道にもあるし、積雪が多い北海道でも石勝線など設置されている例が多い。また、積雪の多い山間部の路線ではコンクリートのスノーシェッドが雪崩から鉄道を守っている。

福井鉄道 スノーシェルター
福井鉄道福武線の三十八社駅にあるスノーシェルター。線路を覆って分岐器を降雪から守る(撮影:南正時)
石勝線 スノーシェルター
石勝線のスノーシェルター(撮影:南正時)
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