JR東海リニア「新車両」開発の陰で進む方針転換 静岡工区の教訓「わかりやすい説明」の重要性

車体に引かれたゴールドのラインが際立つ。従来の白地に青いラインの車両とは異なる色調が新型車両であることを感じさせる。
東京と名古屋を結ぶリニア中央新幹線の整備を進めるJR東海は、新型車両「M10(エムジュウ)」を7月25日に報道公開した。
営業線仕様のリニア車両としては2013年のL0系、2020年のL0系改良型試験車に続く3回目の開発となる。これまでは先頭車両と中間車両が製造されたが、今回は中間車両1両のみ。既存の編成に組み込んで走行試験が行われる。
新型車両は「サメ肌」
M10という名前は磁気浮上鉄道を意味する英語(maglev)の頭文字「M」と、L0系から数えて10番目に造られたことを意味する「10」の組み合わせ。L0系の中間車両は10両あり、M1〜M8の8両と身障者用中間車Mp(pはプライオリティの意味)が2両ある。L0系改良型試験車の中間車がM9である。なお、先頭車両はMLという名前がついている。Lは先頭車を意味する英語(lead)の頭文字である。
開発に際しては環境負荷の低減が重視された。アルミ車体の表面にサメの肌を模した微細な溝構造のフィルムを貼り、台車周りの形状を最適化したことで空気抵抗を1%削減した。また、超電導磁石の冷却方法を変更し、冷却のための消費電力を1割削減した。
さらに、車体の表面は無塗装として、製造時の塗装の乾燥に使用するエネルギーを削減したほか、アルミのリサイクルとしての活用性が向上した。
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